不安のアクセプタンス

セルフケア

不安をアクセプタンスする

不安は誰でも、あまり感じたくないものです。不安を感じるのは私たちにとって苦しく感じられます。そのため、不安を感じないで済むようにするためのものが世の中にはあふれています。テレビやゲーム、映画、SNS、動画、音楽、グルメや買い物、嫌な気分になったときや落ち着かない時、どんな気晴らしをするでしょうか?

こういったものはつらいときに支えてくれるものでもありますが、常に不安を感じない様にしていると臭いものに蓋をする様に、そこに在るものを見ない事にして限界が来るまで放置してしまう場合があります。

不安を感じない様にしても残っている

見ない様に感じない様にしていても、不安は解決されず自分の中に残っています。そういった不安はきちんと扱われることがなく、自分にとってのブロックになっていることさえあります。人と親しくなることや、自分の成長を不安が後ろに引っ張って阻んでしまうのです。

逆に、自分の中の不安受け容れられる様になると、自然に人と親しくなれたり、何かに新しくチャレンジ出来るようになったり、一歩踏み出すことが出来るようになります。

確実ではないものを受け容れる

不安が強いと「確実でないもの」を避けようとします。絶対に安全なものや、絶対に失敗しない事、ゼロリスクを求めて、一生懸命になり、それがストレスになってしまいます。ちょっとしたリスクや心配なことを考えて結局何もできなかったり、どこに行っても安心できない、という状態に陥りがちです。不安と向き合い受け容れるには、前提として世の中はどうなるか分からない、未来はどうなるか分からないという事実を受け容れる必要があります。

いつもと同じのパターンが崩れても、新しい場所や、普段と違うイベントがあっても、「世の中はどうなるか分からないものだ」と「分からない事」にオープンになってみましょう。絶対に確実なものはこの世界にはない、とどうなるか分からないことを受け容れると「どうにか確実にしたい」というエネルギーを使わずに済み、ストレスも軽減されます。

コントロールを手放す

「絶対に悪い気分にならないように」「つらい目に合わない様に」「嫌なことが起きない様に」「こうでなければならない」と周りに対していつもコントロールしようとしていると、それだけで神経を使い、エネルギーを消耗してしんどくなります。

自分の周りの環境や他人を100%思い通りにコントロールすることは不可能です。自分の感情や気分にネガティブなことが全く起こらないようにする事はできません。

不安を避けようとすると、そのために常にエネルギーを消耗しなくてはならなくなります。

「色々なことが起きるし、色々な気分が起こるけれど、それを抱えていられる」ようになると、周りへのコントロールを手放すことが出来ます。

不安を受け容れるエクササイズ

不安を受け容れるエクササイズ

ノートとペンを用意して、書きながら不安のアクセプタンスのエクササイズをしてみましょう。

1.楽な姿勢で座り、ゆっくりとした呼吸をして、グラウンディングします。

自分が今何を感じているか内側に注意を向けてみます。

2.グラウンディングを意識しながら、心が落ち着いてきたら、最近不安に思っていることを一つ取り上げて書き出しましょう。

3.その不安な事を考えると、どんな感じでしょうか?どんな気分になるでしょうか?マインドフルに、観察する意識から、自分の内側で起こることを観察していきます。

4.生まれてくる感情や感覚に注意を向けます。何か見つけたら、避けたり紛らわしたりせずに感じてみましょう。

感じているものを、なにか言葉にできそうだったら、言語化して書いてみます。

5.内側を感じながら、不安な時の体の感覚を観察します。

胸が苦しくなったり、ソワソワしたり、お腹の辺りが緊張したり、首や肩に力が入ったり、気づいたことがあったら書き出して、その感覚をただそのまま、感じていきます。

緊張があっても、リラックスしようとする必要はありません。

ジャッジせず、ただ気づいています。

なにか思考が出てきたら言葉に出して書いて見ましょう。

6.どんなことが不安に感じられるのか?

体のどの辺で不安を感じているのか?

どんな言葉が内側から発せられているのか?

観察しながら感じます。

感情や思考と一体化しすぎないように、マインドフルな視点を保ってください。

良くないと思う様な感情や思いが出て来ても、それをジャッジしたり、否定したりせず、ただ気づいています。

7.その不安に対して、質問して見ましょう。

「どんなことが必要なのかな?」

そしてその答えを感じます。

不安が訴えているニーズはなんでしょうか?

もっと休みたいかもしれないし、労いの言葉が欲しいかもしれません。

何が必要で、どんなことを望んでいるのか耳を傾けてみます。

そして答えを感じられたら、観察している自分が共感してあげて、ねぎらいの言葉をかけてあげましょう。

8.共感の言葉と、労いの言葉を書き出します。

「そんなに不安だったんだね」「よく頑張って耐えてきたね」という風に書き出します。

不安は、私たちを守ろうとして起こります。命を守り、身を守るために不安という感情は生まれてきます。不安は敵ではなく、排除すべきものでもありません。

不安の感情や思考に、「いつも守ろうとしてくれてありがとう」と感謝の念を持つことも、不安をアクセプタンスするのに役立ちます。

コンパッション(思いやり)の効力

コンパッションは慈悲や思いやりの心です。自分に対してコンパッションを持つことが、不安を癒します。

私たちは自分に対してはとても厳しく、批判的になります。思いやりを持った言葉を自分の内面で起こることに対してかけていってあげましょう。

「でも自分に思いやりをもてない。自分が好きじゃないから」

と抵抗を感じる人も多いかもしれません。

コンパッションを感じるイメージワーク

小さな子どもや、大事なペット、かわいい動物や、大好きなぬいぐるみ、愛着のあるキャラクターなどをイメージします。自分が愛を感じるかわいい存在を選んでください。

自分が愛を感じるかわいい存在が、自分と同じように不安で震えていたら、怖がっていたら、それを見たあなたはどうしてあげたいでしょうか?

自分の内面の感情(不安や恐怖など)にその存在を投影してみたら、どう感じるでしょうか?イメージして見てください。

きっと慰めたり、抱きしめたり、撫でてあげたりして安心させてあげたい、という衝動が起きると思います。労いの言葉をかけたり、愛を伝えたりするでしょう。

それと同じ事を、自分の内側にある感情にもしてあげます。

自分には厳しくしてしまう…

不安が起きて胸が苦しくなった時、どんな風に感じるでしょうか?

「こんな感情起きなければいいのに」「こんな風に感じてしまう自分は弱いんだ」「不安をどうにか消したいのに、できない」と自分を責めることがよくあると思います。

それは先ほどイメージした、愛を感じるかわいい存在が不安を感じている時に、「あなたなんかいなければいいのに」「そんな風に感じるあなたは弱い」「どうにかお前を消したい」と言っているのと同じです。そうイメージしてみると、「ひどい」「かわいそう」と感じるのではないでしょうか。

けれど私たちは自分の内側にはそういった事をしがちなのです。

認めてあげる、いたわってあげる

不安が起こった時、その感情と向き合って感じることができたら、その感情にしてあげられることは認めてあげる事、アクセプタンスして、共感や労いの言葉をかけてあげることです。

泣いている子どもや怖がるペットにしてあげる様に、「怖かったんだね」「すごく不安だったんだね」と言語化して認めてあげることと、いままで頑張って耐えてきたことを労ってあげましょう。「そんなに不安だったのに、いままで我慢してがんばってきたんだね」「つらかったね、気づかなくてごめんね」「もう大丈夫だよ、私がいるよ」と言葉を掛けながら、感情の変化やイメージの変化をよく観察していきます。

自分にそう言った言葉をかけるのは気恥ずかしいかもしれませんが、普段は否定的な言葉を無意識にかけ続けていますので、意識して思いやりのある言葉をかけてみて下さい。

感情は子どもの様に、「保護され」「見守られ」「世話され」「認められ」「受け容れられ」「肯定される」ことを求めています。

もしかしたら幼少期にそういった安全さを環境から受け取る機会がなかったのかもしれません。

今は大人になった自分が、子どものような感情に対して、それらを与えることが出来るのです。

繰り返し実践して習慣化する

こういったエクササイズや言葉かけは、一度やったら終わりで効果が出る、というものではありません。筋トレやスポーツの練習、習い事や手仕事などと同じように、何度も繰り返すことで新しい習慣がついてきます。

今まで長い間、自分に否定的な言葉をかけてきた場合は特に、コンパッションの言葉を自分にかけてあげることを意識して行ってみましょう。

©2021 ADOR(心理セラピスト/公認心理師・宮沢みか)

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