不安・動揺が起きすぎるのは…脳は誤報を区別できない

こころとからだ

脳は誤報を区別できない

恐怖や不安を感じる時、脳はその対象が実際にある危険なのか、空想や予想によるファンタジーなのか区別できません。なので頭の中で考えたことに不安や恐怖を感じても、現実に危機が迫っている状態と同じように身体にストレスに対するサバイバル反応を起こしてしまいます。

頭の中で考えたことに不安を感じた場合も、身体が強張り息苦しくなり、その感覚によってさらに恐怖が増す…というような悪循環が起きてきます。

一瞬の予測にもサバイバル反応をする身体

頭の中の考えといっても、「のんびり空想をしてたらだんだん怖くなってきた」というような分かりやすいものでななく、無意識の瞬時にされるネガティブな予想や考えに対して身体は反応を起こします。

瞬時なので、体感としては急に胸がギューッと苦しくなっ不安が沸いて…というように同時に起きているように感じられます。

例えば、普段「怖いな」と感じている上司が近くを通っただけで、身体が強張って息が苦しくなる…、という風に起きてきます。この時、無意識に「皆の前で怒鳴られて侮辱されるかもしれない」といった予想をしているかもしれませんが、自分では気がつきません。

この時自分では、自らの予測や想像によって、不安や恐怖の反応が起きているとは分からないので、「怖い」とか「大丈夫かな」と思ったと同時にすでに恐怖が起きていて、身体が強張って苦しくなる…という風に一気に起こるように感じます。

頭では大丈夫と分かっていても怖くなる

頭の中では「そんなに怖がることじゃない」「大丈夫なはず」と分かっていても、恐怖や不安の反応は起きてしまいます。

実際には生命の危険がないと分かっていても、「こんな風になったらどうしよう」と無意識に考えることで、脳に「危険かもしれない」というサインを送ってしまうからです。

こういった無意識の考え方も、その人のパターンになって自動で起きていることが多く、本人は自分がいつもそう考えていることに気がつきません。

その「危険かもしれない」というサインによって、身体にサバイバル反応が起き、不安や恐怖が起こります。実際に危険が迫っているサインだ、と脳が勘違いしてしまうのです。

カフェでお茶飲みながらなんとなく考え事していただけなのに、ふと嫌なこと思い出して、急に苦しくなり動揺してくる…ということも起こります。この時、実際の周りでは何も起きていません。

「危険かもしれない」というサインが、事実から起こっているか、空想の中で起こっていたかどうかということは脳は区別できずに、サバイバル反応を起こして生き残ろうとするのです。

「気にしないようにしよう」は上手くいかない

危険のサインを受け取って反応する部分は、本能的な身体(脳)の側であるため、私たちの理性である思考ではその反応を止めることができません

  • 「気にしないようにしよう」
  • 「ポジティブに考えよう」
  • 「気楽に考えよう」
  • 「もっとリラックスしよう」
  • 「そんなに危険ではないはず」

 という風に思っても、不安や恐怖が湧いたり身体が震えたりして、動揺してしまいます。

これは理性よりもっと深い本能的な部分で、危険に対するサバイバル反応が起きてしまっているからです。意志の力で血圧を上下させたり、ホルモンを出したり出来ない様に、身体の側で本能的に起こっている反応は意思でコントロールできないのです。

なので、脳が誤解してしまったら、いくら自分で「気にしないようにしよう」と思っても、不安や恐怖が起こり、身体が硬直したり息が苦しくなったりします。「考え方が悪いから…」と自分を責める必要はありません。

不安や動揺の頻発を落ち着かせるには

こういった場合にまず必要なのは、身体の本能的な部分を落ち着かせていく事が必要になります。

危険を感じてサバイバル反応をしているときは、交感神経が活発になっています。サバイバル反応が頻発するほど、交感神経が活発な緊張状態が続き、警戒しているモードが通常のモードになってしまいます。慢性的になると、リラックスや休息のモードへシフトしにくくなっていきます

警戒モードにあると、ちょっとした刺激にも敏感に危険を察知するようになるので、ますますサバイバル反応が起きやすくなってしまいます。

まずは交感神経が活発過ぎる状態を落ち着かせていき、身体に「安全なところで休む」モードを取り戻させていきます。

身体を落ち着かせる

身体を落ち着かせるには、ゆったりした呼吸や、身体の緊張を解すようなストレッチやヨガが役に立ちます。身体の緊張が強い場合には、筋肉から力を抜く筋リラクゼーションなどをして、少しづつ身体の緊張をとっていく必要があります。

ぬるめのお風呂にゆっくり浸かったり、アロマオイルでマッサージをするのもよいでしょう。

寝る前は激しいメディアは控えめにして、本を読んだり、リラックスできる音楽や風景の映像を見ながら、交感神経を落ち着つかせていくと、休息のモードにシフトしやすくなります。

夜は早めの時間から照明を暗くしてキャンドルの明かりにしてみる、カフェインの入った飲み物は控える、など交感神経を落ち着かせて、副交感神経(リラックスの回路)にシフトしやすいように、環境や身体を整えてみることも役に立ちます。

夜や朝方は疲れや寝起きで、感情を抑制する脳の働きが鈍っていることがあるので、考え事をするとネガティブな感情や考えが止まらなくなることがあります。

そんな時は考えることでは解決できず、逆に悪化することが多くなります。

違う事に気持ちを向けられるよう、リラックスできる動画を見たり、音楽を聴く、ストレッチをするなどして、注意の方向を逸らしましょう。

©2021 ADOR(心理セラピスト/公認心理師・宮沢みか)

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