意識の向け方で不安を減らす

こころとからだ

不安を減らす注意の向け方

普段、自分がどんな風に注意の方向を決めて物を見ているか、世界を把握しようとしているかはあまり意識することがありません。この注意の向け方にも人それぞれの癖があります。いつも周りを気にしている人、マイワールドに入って全く周りが目に入らない人、バランスよく外側も自分自身にも注意を払いえる人など色々な状態があります。この注意の向け方を意識してみることで、偏ったバランスを整えて安定させていくことが出来ます。

不安を感じやすいときは外側への警戒モード

不安になりやすい、ちょっとしたことで不安を感じるという時は、体や脳がサバイバルモードになっていて警戒状態になっています。生き残るために周りを警戒して、用心している状態です。

警戒状態の時は、自分の意識や注意が外側の世界、他人や、周囲の状況、起こる出来事などに向かっています。よくないことが起こらないか、危険なことがないか、万事うまくいっているか気を張って、交感神経が活性化しているような状態が続き、慢性的になると警戒モードを解くことが出来ず、休むことができなくなります。

 常に外側に神経を張り巡らせて緊張しているので、色々な情報や刺激が入ってきます。不安要素は増えてしまい、普段の普通の生活をしているだけでも、人一倍しんどく感じ、疲れてしまうのです。

意識してクローズする

自分がそういった警戒状態になっていて、周りや他人を気にして見て不安になっているという事に気がついたら、意識して外側への注意をクローズしてみます。あえて見ない様にする、目線を泳がせないようにすることで、入ってくる情報を減らすことが出来ます。生活の場だけでなく、SNSやネットの情報も入れすぎないことが大切です。刺激を減らすことで、脳を休めることも出来ますし、本来見るべきものや、やるべきことにエネルギーを向けることが出来ます。

自分の内側に意識を向ける

外側にばかり長く注意を向けていると、自分の感情や感覚は後回しになってしまっていることがあります。心も体もボロボロなのにそれに気づかず、「別に平気」と感じながら無理を続けたり、健康を崩すまで頑張ってしまう事も出てきます。感じない様にしていると、自分が本当は傷ついていることも、限界を感じていることも気がつかず、何かに引き金を引かれると一気にネガティブな感情が噴き出してくることもあります。

ネガティブな感情を癒し、心を落ち着かせていくにはまず、「自分が何を感じているのか」「何を望んでいるのか」をきちんと感じて、気がついていることが必要です。

外側に偏りがちだった注意を自分自身に向けて、どんな体の感覚が起きているか、本当はどんな感情を感じているか、感じてみて言葉にしてみましょう。

いつも不安や焦燥感を感じる人は、胸やお腹の辺りに注意を向けて、普段の生活の中でどんな感情を感じ続けているのか、感じながら言語化してみます。

自分をきちんと感じる

感情や感覚は体からのメッセージなので、気づかれるまで必死にメッセージを発信し続けます。けれど人間は普段の生活を回すために、繊細な感覚やはっきりしない感情は後回しにしたり、無意識に抑えて、無かったことにしてしまいます。無意識に行っているため、自分では「とくにこれといった強い思いは無いし、普通に生活できているけれど、しんどいし疲れる」というくらいにしか感じられなかったりします。自分の内側の声に気づくのは、これから続く人生の中で、早めに自分が発しているSOSのメッセージに気づいてあげる、ということにもつながります。

また、よく気づいてもらえるようになると、身体の側もいつもメッセージを繰り返す発信しないで済むようになるので、感情が落ち着いてくることがあります。

意図して見回してみる

外側への意識をクローズして、内側を感じる事で不安を減らすことをお話してきましたが、逆に意図して周りを見回すことで心が落ち着く場合もあります。

不安とは、「分からないもの」に対して抱くものです。”いつもと同じ”、”どうなるか分かっている”場面では不安は起こりにくく、安心して過ごすことが出来ます。

新しい場所や慣れない環境

初めての場所や、まだ慣れていない環境で緊張して来たり、不安や恐怖を感じる時、意識して周りをゆっくり見回してみます。

例えば、初めて行った美容院で待っている間や、病院の待合室でドキドキ不安になって来たら…。

把握できる現在の今ここの情報をよく見て観察します。

どこにドアがあって、窓がいくつあって、時計はどこで、トイレはどこで、壁は何色か?

絵が飾ってあって、小物があって、ゴミ箱があって、外からどんな音が聞こえて…という風に今自分がいる場の環境や状況をよく観察して、今いる場について意識して把握していきます。

一見、自分の安全とは関係ない様に思えるかもしれませんが、その場をよく把握するということは安心感を与えてくれます

また、頭の中で繰り広げられる不安や「こうなったらどうしよう」といった考え事から離れて、目の前の事実を把握することが出来ます。

恐怖や身体が強い反応をしているとき

なにかの刺激に対して、恐怖や体に強い反応が出た時(心臓がバクバクする!緊張で身体が震える!など)は、自分の感覚に注意を向けすぎると、余計に感情や体の反応を強く感じて悪化させてしまうことがあります

すでに恐怖や体の反応が出ているのは本能的な反射的な反応なので、実際は安全かどうかを確認するために周りをよく見回してみます。

人は無意識に、恐怖や危険を感じるものに意識を向けがちなので、そこから意図して意識をずらすことで落ち着いて来たり、実際の状況が安全であると確認することもできます。

安全であれば「大丈夫、ここは安全だ」と自分に言ってあげましょう。

人の表情が気になる時

自分が苦手な相手や、気を使う相手に対して、常に表情を気にしてしまったり、一挙手一投足を気にしてしまって疲れる…という様な時、相手ではなく今いる環境を把握するために周りを見てみます。

その相手に向かった意識を、現実の状況や環境、その場所に向けてよく把握する様に注意を向けてみましょう。過剰になっていた相手への注意を外すことが出来、今いる環境を把握することで、不安がゆるむことがあります。この時、注意を向ける方向は実際の現実にあるものにします。自分の感情や考えに向けるのではなく、目の前に見えるもの、壁の色や窓の形、外の天気、聞こえてくる音など実際に今ここにあるものに注意を向けます。

バランスをとる

見回しながら、自分の体や感覚が変化していくことにも注意を向けてみましょう

外側の状況の把握と、自分の感覚の両方に注意を払った、バランスの良い状態になることができます。

注意の向け方は、内側が良い、外側が良いという風な「良い悪い」ではなく、バランスがとれていることが大切です。外側にも自分自身にも適切に注意が向けられているのが最もその場に適応しやすい状態です。

©2021 ADOR(心理セラピスト/公認心理師・宮沢みか)

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